2021.8.29 毒水沢下降・大沢川沢登り

山行報告

メンバー:信彦SL・濱野CL&記録

天気:雲とお日様

コースタイム:3:00湘南地方発~7:00ゲート前駐車場(4台位い駐車可)~7:30出発〜8:30毒水沢入渓点~8:45大沢川出合~14:30芳ケ原ヒュッテ〜15:30ヒュッテ発~16:30駐車場

ザクロ谷の練習沢としてネットで見つけた大沢川。そこで見た写真と記録の少なさに惹かれ信さんと計画。

駐車場で装備を整え出発。林道と登山道を約1時間で毒水沢入渓点に。

名前とは裏腹にかわいらしい沢。

沢を囲む壁から流れ出る水がぬるい。沢の水も冷たくない。

「おっ、い~ね~!」って感じ。

毒水沢を数分下降すると、その先の渓相が一変する。下降自体はフィックスもあり階段状の為問題は無いけど。

大沢川の出合で左に目を向けると、期待していた通りの美しいゴルジュが佇んでいた。

岩・水・苔・空・木。色としては緑・白・茶。たったこれだけなのに自然が織り成す色彩に感動する。

さぁ、行こう!

大沢川のトポは市販の本には載っておらず、ネットで見つけた手書きのトポと遡行ログを頼りに進む。

切り立ったゴルジュに多くの滝を持ち、どれがどれだか分からないが、目の前の滝をどう越えるか2人でじっくり相談しながら進むのが楽しかった。

この地域は笹薮が多く、沢筋への復帰含め高巻きは難しくない。大沢川入渓から一つ目の登山道との交差点まで高巻きは2回ほどあった。トポと反対から巻く事もあったが、信さんの的確なルーファイで問題なかった。

「誰かが行ったトポだけが正解じゃないべ。いつもその通り行く必要はないだろ!」

カッコよかったぞ。

渓相の美しさは変わらないものの、滝という滝の前には必ずといっていいほど泳ぎが必要な淵がある。水が冷たい・泳ぎがある、という事前のリサーチから共にネオプレーンやタッパーを着込んでいたが想像以上に水が冷たく、珍しく信さんが寒がっていた。

一つ目の登山道との交差点を過ぎた辺りから暫くはゴルジュ帯から解放されたゴーロ帯で、時折差し込む日差しで体温を戻しながらの遡行となった。

直登が難しい滝を巻き気味に登り、落ち口へ数歩トラバースしたいが、ヌメりが怖く一歩が出ない。

カム2つで支点を作りセルフを取って悩んでいると「ハンマー投げやってみろ!」と信さん。

初めてやってみる。ロープの付け方も分からず腰にぶら下げる用の細引きにロープを繋げた僕に「それじゃ死ぬぞ」と。ハンマーの穴に環付きを通しロープを繋ぎなおす。引っ掛かりそうな所に目標を定め投げる。数回やって決まる。グイグイ引っ張る。効いてそう。タイブロックで進む。少し先の安定した場所でビレイ器を使わずムンターで信さんをビレイする。

ハンマー投げ失敗。

これまでの沢登りでフォローを引き下げた方が良い場面が数回あり、メンバー間で度々必要性を話し合っていた為、実践出来てよかった。信さんに支点の作り方やロープワークを確認してもう。

「い~じゃん!」

茅ケ崎に入り初めてロープに触れ、エイトノットを覚えるのに半年かかった伝説を信さんに広められた僕なので、毎日朝晩練習した甲斐があってスムーズにセット出来た事。パートナーと技術を確認しあい信頼関係を深められたのが嬉しかった。

そんなこんなで、充実感と共に渓相を楽しみながら進む。

交差点からヒュッテまでの行程の約半分辺りに迫力のある4連ほどの滝がある。

深い淵を持った門と威圧的な高い壁。轟々と流れ落ちる滝。

身体の冷え。ハンマー投げや荷揚げ・ムンターでのビレイ等、やりたかった課題も終えた満足感から満場一致でここから左岸を高巻き登山道へ出る事となる。腰から頭の藪漕ぎを30分位で登山道へ。その先に赤い屋根のヒュッテも見える。登山道を20分位歩き芳ケ原ヒュッテに。

林道を使って入って来られるらしくヒュッテ脇には車が。

はま「車があるぞ!」

のぶ「ジェットスキーもあるぞ!!」

はま「あほ、スノーモービルだろ・・・」

「お前はいくつだ。何も知らないんだな」といつも僕をバカにするけど、俺もお前をスゴくバカだと思っているからね。

ヒュッテには4種類ものビールがあり祝杯をあげる。

装備を解いて一休みして下山。下山路は整備され傾斜も緩く歩きやすい。「こーゆー道、最高!」沢の内容と共にアプローチの良さにもご満悦の信さん。

今回はゴルジュ上部を巻いた事もあり「来年もう一度、ザクロ特訓を兼ねて完全遡行しよう!」という事に。

下山路から見えた笹薮に覆われた緩やかな山容の下に、こんなゴルジュがあるとは本当に想像できない程の、素敵なゴルジュでした。

信さん曰く「ベスト5に入る沢」。ここは訪れる価値があるお薦めの沢だと思いました。

さぁ、次は今夏最後の沢登り特訓「オツルミズ」。がんばろうな!

装備●50mロープ(ゴルジュ最上部は巻いた為、分かりませんがハンマー投げ以外では懸垂含め使用せず)●カム:スモール~3番持参。最後の核心にクラックがあるらしく何番を使うかわかりませんが、今回の遡行部では1番から下を使用●ハーケン:使用せず●アブミ:使いたかったが使う所を見つけられなかった●ハンマー:投げた●ウェット:絶対持ってく。

               おわり

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