- 参加者: HB、濵田(直上ルート)/海保、小林(中央ルンゼ)
- 天候: 晴れ、気温5℃くらい
- 行程: 0745銅親水公園-0903松木沢ジャンダルム出合-1030登攀開始-1630終了点-1723ジャンダルム基部
- 使った道具: キャメロット0.2〜4(0.5〜3は2セット、5番もあった方が安心)、ナッツ(使わず)、120センチスリング×2、240センチスリング×1、クイックドロー×7くらい、50メートルダブルロープ
本当は宝剣岳あたりのアルペンチックな雪山を第一候補としていたが、先日の南岸低気圧の影響により色々問題がありそうで、転進先に選んだのは今年に入って早くも3度目となる足尾ー……
とかなんとか直近でも同じようなことを書いた気がするぞ、そういえば宝剣岳計画中止→転進のパターンが最近は多いな〜と思い記憶を辿ってみると、去年の今頃から、なんとこのパターンを7回も繰り返していた!
こうなったらもう宝剣岳方面に行こうとするのは辞めようか、いや、逆に毎週計画書を提出するくらいの気持ちで絶対に行ってやるかとか謎の葛藤に苛まれながら、仕方なく今回の行き先、松木ジャンダルムへと歩みを進めました。
さる金曜日の積雪により、不毛の地にあらま綺麗な雪化粧。負のオーラはだいぶ緩和されて、小鳥のさえずりとヨーデルが聴こえてきそうな洒脱な趣に様変わり。松木ジャンダルムは錫杖前衛壁のような冬壁感あふれる山容でQOL爆上がり必至だ。
アプローチは順当に行けば駐車場〜取り付きまで1時間ほどだろうか。中央壁基部へは渡渉したのち、向かって真ん中あたりのピンクテープを辿り15分ほど急登を詰める。一粒の麦やらジョイフルモーメントなんかに行くより断然近いし分かりやすい。
チーム分けは地域差を感じてタイミングがイマイチ合わない”グーとパー”を3回程仕切り直した結果、平井濵田/大善さん海保さんパーティーに決定。前者は直上ルート、後者は中央ルンゼ+αをやることになった。
cf.「グッとパーでわかれましょう(神奈川県厚木市)」「ぐっぱーぐっぱーぐっぱでほい(三重県津市)」https://gakumado.mynavi.jp/freshers/articles/11585 ※皆さんもチーム分けの際にはご注意ください
直上ルート
※松木沢ジャンダルムはトポが乏しい。登山体系を主に参照されたし。中央壁直上ルートのみマルチピッチスーパーガイドに詳述されており概ね正しい
⬜︎ 1P目: 5.7/25m。濵田
見た目はジャミングが良く決まりそうで快適そうなガタガタしたチムニー。実際はあまりジャミングした記憶が無く傾斜の強い壁をアックスのフッキングメインで登っていくイメージで難しい。大凹角ルートの2ピッチ目と似た印象。
終了点は蹴ったら折れそうな細い百日紅+ハーケン、カムで作成
⬜︎ 2P目: 5.8/35m。HB
緩傾斜のフィンガーサイズ程のコーナークラック〜オフウィズス。
写真のスラブの乗越がかなり悪い。上部の傾斜の強いダブルクラックは無雪期の核心。フッキング・ジャミング・ニーバー/ニーロックとぼくの必殺技を次々と繰り出して登っていき、難しいが面白い。抜け口は除雪作業が大変で時間がかかってしまった。
蹴ったら折れそうな百日紅+ボロいリングボルトでビレイ。
⬜︎ 3P目: 5.6/50m。濵田
一見、ラインがよく分からない。左のカンテ状?リッジ?は左ルートと共有するそうだ。そこはプロテクションが取れるか着雪が多くてよく分からないので、右の顕著なクラックから。出だしは傾斜が強くアイゼン手袋でのジャミングが難しい。ここも除雪が大変そうだった。終了点は大スラブの基部にしっかりしたハンガーボルト等がある。
⬜︎ 4P目: 5.6/30m。HB
3本のクラックのいずれかを登るとの記載を見かけたが、中央の最も顕著なクラックから。出だしは快適なハンドジャムがバシバシ決まり癒し系ピッチだと思っていたら、上部はクラックが浅く細くなっていき、結局はかなり際どいフッキングに肝を冷やすことになる。
高度感も出てきて、総じて爽快で楽しいピッチ。終了点はボルトあり。
⬜︎ 5ピッチ目: 5.5/50m。濵田
この時点で集合時間の16時を回っていたため、フォローの自分はフルエイドで登ったのであまり記憶なし。階段状だが、ちゃんと登ったら除雪でかなり時間がかかりそうだ。
もう一つの核心である、おまけピッチの5.8薄被りのフェイスは残念ながら時間がなくて出来なかった。コブシ岩を向かって左から歩いて巻くと右のルンゼからフィックスロープ伝いに歩いて降りられる。
今回は比較的着雪の多いコンディションで、何でもないスラブでも雪をかき分け残置ハーケンを掘り出したりするのに難儀して、冬壁はコンディション次第ではだいぶ時間がかかると痛感した。
直上ルートはこの前登ったウメコバ沢の大凹角ルートほどの難しさは無いと思いますが、シビアなドライツーリングでアックス・アイゼン捌きを磨くにはとても良いルートだと感じました。
また近いうちに足尾に訪れたいですね。こんどこそ宝剣岳行ってからが望ましいのですが…!
記: HB
コメント