2023.7.22-23 北岳バットレス

山行報告
  • メンバー:S木、K保、M崎、H田、S
  • Day1: 9:45 広河原〜11:40 白峰御池小屋〜14:00 偵察に出発〜 16:15 バットレス取付き〜17:45 白峰御池小屋
  • Day2: 2:20〜3:45 取付き〜4:20 ピラミッドフェース登攀開始〜7:20 4P手前で断念〜8:00 ヒドゥンスラブ〜(待ち) 8:40 4尾根1P〜 9:30 2-3P〜 10:00 三角形の垂壁〜10:30 マッチ箱 (待ち)〜10:55 懸垂下降〜11:45 枯れ木下(待ち) 〜12:20 奥壁城塞〜13:20 北岳山頂 〜14:40 白峰御池小屋 15:00 〜16:10 広河原
  • ギア:カム#0.3〜#3 一式、アルヌン×5-6本、スリング120×2, 240×1

昨年企画したが悪天候で断念した為、1年越しでリベンジプラン。今回は梅雨明けに期待を込め、独断で日程決めしたところ、パーフェクトではないものの、まずまずのお天気予報。

5:15 芦安始発バスは4台、ジャンボタクシー5台も予約満車。コロナ明けの夏山感。ただ、夜明け頃に夜叉神峠ゲート先で落石があった為、夜叉神で待機の可能性とアナウンス。 結果、夜叉神峠で約3時間の足止め。

9:45 広河原、みんな元気に出発!

北岳と言ったらこの吊橋イメージは私だけだろうか?

6-7年ぶりだと登山道の記憶が完全に消え失せてしまい、白峰御池小屋まで、こんなにひたすら登り続きだったっけ?と思いつつ、ほぼ無言でモクモク歩く。3時間のロスは時間だけでなく、暑さによる体力まで奪い、初日の登攀意欲は完全に削がれた。

テント設営したら、山不足の強強の2人はランチもそこそこに「バットレスいって来まーす、戻りは20時過ぎ目標!」と足速に去って行く。3時間のロスでモチベダウンする事のない2人のエネルギッシュ感、ただただすごい。

残る3人は軽くお昼寝、14時が近づき慌ててピラミッドフェース取付きの偵察に出発。C~D沢の辺りで迷いまくったものの正面壁到着。ルートはガスの包まれておりよく分からなかったが下見は完了、18時前にテント場に戻り手早くごはんを済ませ19時過ぎには就寝。※強強2人は20:30頃に戻って来た。行程は後でまとめて記載する。

このテント場、なかなか良い

2日目 1:00起床〜2:20出発〜3:45 取付き着。先行パーティは1組、4時過ぎると後続パーティが続々到着する中、登攀開始。この日前半は全員でピラミッドフェース、後半は別ルートを予定していた。

3:45 取付き着、間もなく夜が明ける

しかし、1Pからちょい悪い印象。2Pの草付きも嫌な感じだし、横断バンドがどこなのかよくわからず、ルーファイ力が必要そう。後続のS木さんアドバイスでバンド直下辺りで迷っていた事に気づき、やっとのことで横断バンドに辿りつき、4P直下へ。

4P、逆層の見るからに滑り落ちそうなフェース…そして、残置が見当たらない。フォローでも登れる気がしない。相談の結果、ゆるチームはここで断念。横断バンド沿いから4尾根に進む事に。強強チームはそのままピラミッドフェースの頭まで登りったそう。やっぱりスキル&メンタル共に強いなーと尊敬。

山頂タイムリミット13:00として、スタスタ進みたいところだが、ピラミッドフェース彷徨い中に後続複数パーティに追い越されてしまい、渋滞がちょいちょい発生。

三角形の垂壁手前、マッチ箱で待ちをしてる中、左を見ると逆層つるつる岩壁を登っているクライマーが見えた。世間一般からしたら、あんな恐怖の滑り台みたいな所を好んで登るクライマー(4尾根登る私達でさえ)は変態にしか見えないよな…なんて、数年前まで一般人だった自身の事を思い出すと苦笑いしたくなる。

バットレスと言ったらこの写真、ガス抜けた瞬間で撮ってみた
Dガリー奥壁城塞の手前で渋滞待ち

4尾根は想像してたよりも簡単なルートで余裕を持って登ることができただけに、渋滞待ち時間がなんとももどかしい。特に最終ピッチの渋滞待ちは長く、強強の2人へ「最終バス間に合わない率90%、先に下山して欲しい」と伝えた。

空は晴れたり、ガスに包まれたりの繰り返しで、登ると暑く、待ちで身体が冷えるの繰り返しでレイヤリング変更が面倒だったが、最後の待ち時間は長すぎて全部着込んでた。

タイムリミットを20分オーバーで北岳山頂! 14:50頃までにテント場戻れれば、先に下山してる2人がテント撤収してくれているので、最終バス間に合う見通しが見えてきた為、ここから猛スピード下山。

草すべりの急傾斜ザレ道をスピード下山するのは、膝への負担がハンパなく、14:50までにテント場戻りできたものの膝はガクガク。強強2人が共同装備やシュラフまでを担いでくれたお陰で、広河原まで少し楽して、そして余裕を持って下山することができました。

全員揃って広河原へ無事下山!

憧れのひとつ北岳バットレス、今回実現できてよかったです。ご一緒してくれた皆さんありがとう!


ここからは強強2人の2日間の行程です。

  • Day1 12:20御池テント場〜14:00 Bガリー大滝下 14:10〜14:35 Cガリー〜15:15 4尾根取付きテラス〜16:10 Dガリー奥壁取付き〜17:55 4尾根終了点〜18:30 北岳山頂〜20:40 テント場
  • ギア:カム#0.2〜2,(万遍なく使ったが、0.1、0.2はあまり出番なし)

Cガリーから忠実に尾根をたどり、コケコケの岩場を1p登ったら取付テラスだった。トポにあるヒドンスラブ左手の凹角ルートはよくわからず、そこからはコンテでマッチ箱まで。

Dガリー奥壁からフラットソール使用。いつかは取れるであろう浮いた岩に全体重かけてハング越えるのが怖い。

山頂は明日でいいかなーと思ったが、K保さんの「いや踏んで行きましょう!」が翌日効いた!

  • Day2 3:45 ピラミッドフェース取付き 4:55〜6:15 横断バンド 7:30 〜 10:30 ピラミッドフェース頭の基部〜12:10 Bガリー大滝下〜13:35 御池テント場 14:45 〜16:10 広河原
ご来光とシルエットが絵になる

日本の岩場のトポでは崩壊ハングの真上がピラミッドフェース4p目の取付になっているが、そんなことはない。(2p目は登山大系だとトラバース30mとあるので、もっとずーっと左へ行くのかな)

ピラミッドフェースはとにかく逆層。ヌメッとしたチャートの感触でさらにグレード感アップ。四尾根もDガリー奥壁も掛かりの良いホールドが続くのに、対比が面白い。

四尾根に出たら誰もいなかったので、もう渋滞も終わったのかなー♪と思って頂上へ行く支度してた所に電話あり、渋滞中との事…電話がなかったらたいへんなことになっていた。

Bガリーあたりの地理は前日に見ていたので助かった。大滝の懸垂は灌木から40m、3か所あるうち2か所目のアンカーから40mの2pで下りられた。

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