投稿:Monica
13をトライするなら絶対マナがいいと思っていた。何故ならわたしのファーストネームが「マナカ」だからだ。(安直すぎる)
茅ヶ崎山岳会や昔からの友人はわたしのことをマナちゃんと呼んでくれる。だが、中学1年生の時の担任アベ先生はわたしのことをマナと呼んでいて、それはちげぇ、呼び捨てであればわたしはマナカであってマナではないと気に食わなかったが、ルート名であれば話は別だ!
マナをはじめて認識したのは2年前のことで、わたしの尊敬しているアルパインクライマーSさんがその時トライしていたルートだった。
マナがある屋根岩5峰ガメラ岩は、小川山にしてはアプローチが遠く、ルートは10bが1本、その次が11d、そのあとが12a以上といった、限定的であることからも他エリアよりややパートナーが見つけづらい。Sさんは当時11bが最高グレードだったわたしに「空中決戦12aっていう良いルートがあるんだけど、12にトライしてみたら?」と誘ってくれた。その時わたしは自分よりもはるかに強いクライマーからのお誘いは嬉しくて、また空中決戦というスマブラっぽいカッコいい名前にも惹かれて迷わずお誘いにのった。
今になって分かる。あれはビレイヤーを確保するための誘い文句だったということに、、、!!わたしもマナをトライするためのビレイヤー探しに、気づいたら同じようなことを口走っていた。
同世代で最近仲良くなった通称パートナー難民YDと5月はじめにマナを本格的にトライした。ここからわたしの5峰通いが始まる。去年2024年の7〜8月ごろ何度か触っているのだが、あまり覚えてはいなかったので、今からやって今年の秋にレッドポイント体勢に入れたらと考えていた。
空中決戦やマナを夏やるなら、朝日があたり始める朝8時までが、これらのルートを登るのに有効な時間帯だ。去年は朝ゆっくりしすぎてそんな早い時間に触れたことはなかったため、ヌメリンとの戦いであった。
2023年も2024年もガメラにいたのは夏だったので、5月に来るのは初めてである。さて、成長が感じられるのか、やや不安に感じながらトライした。
おやっ?思っていたより全然できる!快適じゃないか!1年経って強くなったのかと喜びそうになったがこれは明らかに違う!花崗岩のフリクション様だ!
核心まではどうにかなりそうだが、核心以降が全く分からない。とりあえず核心まで繋げることに専念した週末となった。
この日からデスクトップはマナにトライするマナカに変更。
それから天気予報がよくない週末が続くが、パートナーを無理やり見つけては5峰に赴いた。
- 5/3(土) 3便 5/4はバナナクラック
- 5/10(土) 4便
- 5/11(日) 1便 バナナクラックに移動
- 5/18(日) 3便 ムーブ解決、5/17は大雨
- 5/24(土) 3便 まさかの貸切だがもみ返し
- 5/25(日) 3便 かっこよく決めれず
- 6/1(日) 1便 5/31は大雨
*以下、ムーブについた記載があります。OS狙いの方はご注意ください。
ターニングポイントとなったのは5/18に核心ムーブが解決した時だ。それまで核心が全くできずこれは時間かかるぞ、、と思った。核心はリーチがあると核心でなくなるようで、わたしみたいなチビにはちゃんとした核心になる。
5P目のクリップホールドのガバを左手でとり、右手はポッケ、まではだいたいみんな一緒だが、そこから遠目のカチを直接取りに行ったり、カンテを使ったり色々できる。故に迷う。
わたしは最終的に、左手をガバからピンチに持ち替え親指を上方向にプッシュ、右足をポッケの下にあり窪みにあげて、左足もいいスタンスまであげる。右手ポッケを下にプッシュしながら左手を送る。この左手は親指のかかる突起に上方向プッシュして親指以外の指も多少かかるのでピンチ&プッシュのような形で左半身をロック。右足に体重を乗せ込み、右手でカチをとれたら実質終了というムーブに落ち着いた。
5/18の1便目でムーブが解決したことで一気に登れるイメージができたので喜びの舞を踊っていた。気合いを入れて2便目を出したところこれがびっくり。左指の親指が動かない。どうやら上プッシュで親指を使いすぎたらしい。これは今日はできないなと悔しかった。携帯の画面もスワイプできない。
ムーブが解決したことで、梅雨入り前との葛藤になった。次の週末、5/24-25は天気予報が悪く、もともと入っていた廻り目平での女子会がなくなり、急遽この予報でも一緒に行ってくれる人を探した。優しい人が見つかって遠い5峰にも付き合ってくれた。
5/24は前日に行った整体でももみ返しか何か分からないが身体のコンディションが悪く、疲れている。出だしで今日はダメだなって感じだった。4便目も出そうとしたが2p目クリップしたところで明日にかけようと思って降ろしてもらい、ギャオスから回収した。
5/25はYDも合流して5峰に行った。今日キメれるかもしれないと思うと夜は寝ているような寝ていないような、深い眠りにたどり着けなかった。
前夜〜朝方まで雨が降り続いていたので5峰は大盛況である。マナ待ちで6人くらいだろうか?最近では1番混んでいた。
トライの順番が回ってくると、どうだろうか。昨晩お風呂に浸かったおかげか、全然昨日より持てるし疲れてない!これはいけそうだ。1便目はカチ取りでフォール。
YDは本日の2便目でしっかり決めた。わたしは次できめると思いながら、2,3便目と同じ手で取れずに落ちて時間切れとなった。とても悔しかった。弱すぎる。
そして、翌週である。この週は元々、会の山行で泊り沢が予定されていて、わたしも行く予定だったが、土曜日の天気が悪い。山行リーダーの相原さんが色々検討してくれた結果日曜日日帰りに変更になった。この方針を出してくれたのは木曜日で、この時点での廻り目平の土曜日の予報は4〜5割くらい登れそうな雰囲気だったため、泊り沢に行きたかったわたしは我儘にも日帰り沢でしたら土日で小川山に行きたいと申し出た。
茅ヶ崎のみんなで行く沢と、登れるかもしれないルートの葛藤は大きかったが、クライマーであるならチャンスは掴みにいかなければと言い聞かせた。
急な変更だったが、融通が効きそうなまっしー(他会)に付き合ってもらえることになる。
まし「土曜日は厳しいと思うよ、雨」
もに「いや、とろろ12aとかやったら登れるし。朝8時までならもつかもしれん」
まし「去年まで雨ならヤツレンのソフトだーって言ってたのに、変わったね笑」
そして土曜日は結局雨。しかもかなりの雨。
ちょうどルーフロックにセンチュリー君が来ていたので、明日に響かない程度に遊ばせていただく。女子は3分ぶら下がれたらポーチ贈呈だ!(男子は5分)
北平先生にグーでパー側の骨をカチ持ちするとアドバイスいただき、随分と楽しんだ。
この時あったトークイベントがベアフットクライミングについてでふらっと参加したが、かなり興味深く面白かった。
ルーフロックで遊んだ後は滝見の湯にご飯&お風呂を入りに行って、翌日に備えた。
閑散とした廻り目平に夜遅く着きストレッチをして車内で寝た。そして束の間の晴れ間に目が覚める。
目覚めは良い。
会山行に行かなかった手前、そして梅雨の足音も迫っているので、今日登らなければと緊張する。
登っちゃってくれ〜🙆とまっしーはひょうひょうとしているので、緊張しているこちらの調子が狂う。
まずは3ピン目から左に進むバランシーなダブルアンダー。右足をひょいとあげて右手アンダーを取りに行く動きもかなり良くなった。
そのあとは軽快なガバを続けてクリップ、そこからポッケを左手で取れるように、右手は横広のカチ、左足をガバまであげて気持ちよくスタティックにポッケに2本左指を突っ込む。右足を顕著なスタンスまで飛ばしたら右手をサイドアンダーに持ち替えてアンダーを効かせながらガバどり。ここも落ちポイントだが安定するようになった。リーチがある人には逆にここがキツいようだ。わたしのパツパツでぎり届くくらい。
そして、固めた核心ムーブを丁寧にこなしていく。この週の平日はジムも1日しか行かなかったため、疲れもほとんどなかった。ピンチもプッシュも余力を感じる。カチ取りの確率は分からなかったので、カチに取りに行く態勢に入れたら声を出そうと思っていた。実際のところ、声を出すにはあまりにも余裕がありすぎて出せなかった。
終わった、、、レッドポイントのトライはいつもそうだ。あっけない。
わたしはこれまで、空中決戦やイムジンなど最高グレードを更新するときのトライはいつも”フレッシュ”な状態でしか落とせたことがない。そこにとても弱さを感じている。マナは5/25のトライできめれていたはずだ。あの時に登れていたら絶対に気持ちよかったし、いい登りになったはずだが、気合いが足りなかった。つめも甘い。
ともあれ、マナを登れてよかった。5峰まで一緒にきてくれた友人たちには本当に感謝しかない。
13を登ることは大きな目標であったが、13が登れたからといって強くなった訳ではないと思う。マナが登れてもっといろんなルートを登りたくなった。
これで憧れの先輩に一歩近づけただろうか。
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