- 期日:2021.9.5
- 山域:上越
- ルート:三国川ジロト沢左俣(インゼルルンゼ)
- 参加者:L.宮崎、中村、鈴木(投稿)
- 天候:晴れ
先日相原さん組が登ってきたジロト沢右俣は、大滝(布晒ノ滝)をもってその威容を誇っている。
直下へ右岸から出合うのがインゼルルンゼで、左俣の略奪点から全水量の2/3ほどを落としている。
残りの1/3は一本下流の支流へと流れ、これを左俣の本流としている。ジロト沢の中にあって一番変化に富んだ沢である。
―――なーんてのは帰ってきてから登山大系を読み込んでわかったことで、沢のなかの僕らは素直に地形を拾って登っていたら「左俣」のお楽しみ部分を素通りして源頭に出てしまったのですが。。
雨の湘南から国境の長いトンネルを抜けたら星が出ていた。ラッキー!
林道終点で仮眠。芋川の名のとおりの鈍くさい渓相を詰めてゆくと、ようやくお目当てのスラブ群が見えてきた。
相原さんパーティーがあっさり登って「ようやく楽しくなってきた」という前衛滝は左から高巻き。中村さんはスイスイ登っていくが、私は滑りそうでおっかなくて右往左往。ラバーとフェルトの差なのか。実力なのか。。
天から水が降ってきている布晒ノ滝の見物を終え、左の滝に取り付く。
この時点ではこれこそが左俣本流と信じて疑わない三人。
「遠目には地形図通りだけど、略奪点で右から沢が入ってくるんだよね!
どこかに見えない水路があるのかなー?」
こりゃフェルトの出番だな、と勢い込んで離陸したものの、後半ボロボロの右壁に散々いじめられ、最後は空身で抜けた。
50mくらい登ると右から入る涸れルンゼの出合で一息。
さらに滑滝を思い思いに登っていくと、右岸の小尾根が略奪点になっていて左下から涸れ沢が合流してくる。ここでもう1ピッチロープを出す。
再びロープをしまい、思い思いに。
この沢は順層のホールドが豊富で、思いきって登れて楽しい。
とはいえ、やってることは延々のフリーソロ。この夏は岩場の山行が続いたので、久しぶりに滝を登って、改めて沢登りって怖いな、と思った。
明瞭な巻き道のできている滝を越えると一気に傾斜が落ち、樋状の水路。
そして沢は右へ直角に向きを変え、間違いなく源頭の一角に入ったことが分かった。
・・・やっぱり、隠れ水路なんてないじゃないか。
俺たちの読図は正しかった!と言いたいけれど、左岸から合流してくるはずのルンゼはどこへ行ったんだ???
まさか、さっきの略奪点から落ちてた涸れ沢が左俣本流ってこと?!
水も流れてない枝沢を左俣と名付けるセンスはどうなんだ?!と一同ひとしきり悪態をつくも、あとの祭り。
稜線に出てジロト沢一帯のスラブを見物し、下山。
個人的には、学生の頃に藪漕ぎ縦走で行ったネコブ山が眺められて感慨深かった。中村さんもワカンで丹後山まで縦走したことがあるそうな。この山域を好きな人にはたまらない展望台です。
ギリギリまでもった天気も下界に下りたら土砂降りになり、米子沢パーティーが心配だったが、無事に下りていてめでたしめでたし。
みっちり下調べをすればさらに充実の内容になったのかもしれないが、山を自分の目で見て登る楽しみも捨てがたい。今回はこれでよかったと思っている。
宮崎さん、中村さん、ありがとうございました!
林道終点6:00ー布掛ノ滝下8:40ー1050m溯行終了点11:30―本流出合14:00―林道終点14:30
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