- 期日:2020-08-08
- 山域:八ヶ岳
- ルート:立場川本谷~ししが岩第一岩稜~阿弥陀南稜
- 参加者:鈴木た(投稿)、齋藤て
- 天候:曇り
ししが岩?どこそれ??
提案者は齋藤さん。こんなマイナールート、どこで見つけたんだろう??
何しろぽちっとすれば全ピッチ画像付きで案内してくれる世の中にあって、情報源は登山大系くらいしかないのだ。
ちなみの当の齋藤さんが想像していた「ししが岩」は青ナギの押し出しにあるスラブのことだったようで、本物と対峙した時にはかなりビビっていたが、おかげで謎に包まれた貴重なルートを楽しむことができた。
まずは茅ヶ崎でもおなじみ、立場川本谷。2年続いた台風で旭小屋への林道はだいぶ荒れていたが、沢に入れば大きく変わったところはなく、今年初めての沢の感触を楽しみながら進んでゆく。
核心の滝。寄りかかっていた流木はなくなっていた。今日は濡れたくないので小さく巻いて落ち口へ。
立場川の溯行を満喫し、終点の滝を越えるとししが岩登場。この、おいしいところが全部終わったところから継続、というのは個人的にかなりポイントが高い。
ガスが去来して不気味な雰囲気。左:第一岩稜、右:第二岩稜。(表紙の写真)
第二岩稜は末端フェースが立派だが、上はヤブ岩稜になるようなので今回は第一へ。
大系の記述を参考に中間ルンゼから第一岩稜へ向かう支流に入る。
第一フェースのルート取りがいまいちわからず、草付に導かれるままに右手の側稜へ。
ここから草付のはげ落ちた岩場をトラバースすれば15mくらいで稜上のコルへ出られそうだが、見上げる壁は藪に覆われていてあんまり快適そうじゃない。だったら先に進むことにして、目の前の側稜を登る。
1p目、40m 。草付と木登り(鈴木、以下つるべで)。
2p目、15m。岩稜。下を覗き込むと、コルの上はすっきりした岩場だった様子でがっかりする。ここが第二フェースの頭だったようだ。
3p目、40m。ピナクルを左から回り込む。はじめて人工物(捨て縄)が出てきた。
4p目、20m。岩稜。ハイマツのなかに獣の骨が落ちていた。ワシか何かが食事をした跡だろうか。
核心ピッチ下のテラスでフラットソールに履き替え、ロープもダブルにする。
5p目、40m。フェースから岩稜。今回、敗退用のボルトやら草付用のイボイボやらを満載して臨んだが、このピッチにはまだ生きているボルトラダーがあって安堵半分、拍子抜け半分。でもおかげで快適なフリーが楽しめた。出だしは5.8くらい?
6p目、20m。草付。お花畑を独占して登るのも悪くない。それに、晴れてきて風が最高に気持ちいい。隣の第一岩稜越しに赤岳の眺めもなかなか。
7p目、45m。草付と岩稜。
8p目、15m。フェース。残置がない岩は「本当に登れるのかな?」という気にさせてくれて最後まで楽しめる。齋藤さん、ボルダラーの面目躍如、気合一発で越えて行った。
これにて終了! のんびり4時間の楽しい登攀だった。
もっとボロボロを想像していたのだが、岩は八ヶ岳にしては十分に硬いと思った。
で、今日のメニューはまだまだ続くのだ。見回り道を辿れば間もなく南稜無名峰、ここからが南稜のハイライトというわけ。まったくよくできている。
さすがの齋藤さんも後半は口数少なだったが、そこは山屋の意地でしっかり山頂を踏んで、御小屋尾根を下山。大満足の一日になった。
勘違いの怪我の功名で思い出に残るルートに導いてくださった齋藤さん、ありがとうございました!
やっぱり記録の少ないルートは楽しいですね。
機会があれば、今度は巻いてしまった第一、第二フェースも是非登りたい。冬も楽しそう。誰かお付き合いください(^o^)/
舟山十字路650-(立場川本谷)-1055中央ルンゼ出合1120-側稜取付1150-1320核心下テラス1350-1600ししが岩の頭1615-(阿弥陀岳南稜)-1715阿弥陀岳1730-1945舟山十字路
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