2021/4/24-25 奥穂高岳南稜

山行報告

宮崎、鈴木、加藤(記録)

4月24日(土)

一週間前に予定していた山行計画、悪天のためにこの日となったが、延期した甲斐あって今日は良さそうな天気である。

上高地ゲートが開く5時に合わせてタクシーに乗ると、河童橋で夜明けの光を臨めた。

穂高の雪量は先週にかなり積もったとはいえ、少ないようだ。今冬は雪が多かったものの、春になってから急速に雪溶けが進み、すでに5月下旬のようである。

登山道をしばらく進むと雪が出てきたが、ルートが曖昧になり樹林に阻まれるので沢筋に出る。視界は開けて歩きやすい。

山肌を観察しながら高度を上げてゆくが、近づくほどに雪の少なさが目立つようになる。

先週末の新雪は落ち切っているように見えるので一安心。

南陵はご覧のとおりである。下山したらアイゼンの歯が無くなっていそうだ。

デブリを越えて取付きへ。

ベルグラの張っている小瀧を越え、

雪壁を登り、

岩に阻まれ、

ヤブを漕ぎ漕ぎ、

疲れたけど、まだ先は長い。

時折モーレツな眠気が襲う。

酸素の薄さも感じるようになる。

天気が上々なのは救いでした。

でも、そのぶん雪が腐ってきて足元が不安定な午後。

気をつけながらドンドン登ります。

16時を回って陽の傾きが気になるが、南陵の頭まではもう一踏ん張り。

ガスった中、ようやく南陵の頭に到着。

先に着いた鈴木さんが良い幕場を見つけてくれていたので、全員で整地。雪が硬く締まっているので、なかなか手強い。スノーソーがあったら楽かな。

日没頃にテントの住人になれて一安心。

前穂様を望む、サイコーな一等地に疲れも和らぐ。

ガスが抜け、視界が広けた隙に写真を撮りまくる。

テントの中は荷物の片付けもソコソコに宴会モード。ノンビリと夜を堪能、というほどの余裕はなく、21時過ぎには就寝。3時過ぎに起床とする。

1.5時間ほどの睡眠で今日を動いた身としてはキツイなぁ~。

4月25日(日)

この絶景ポイントからのモルゲンロートを期待していたが、無情にも辺り一面は濃いガスであった。

予定していた天狗のコルへは行かず、奥穂・涸沢経由で上高地へ下山とする。

とはいえ、ほとんどホワイトアウト状態なので簡単ではなかった。

奥穂の山頂は目の前にケルンが出てくるまで気付かなかったくらい、先が見えなかった。

穂高岳山荘までの道のりも例年よりも雪が少なくて岩が多く出ていた。

山荘も霞んでいる。

山荘より下は視界も出てきて、快適に小豆沢を下れた。

下るにつれてガスは取れてきたので喜んでいたが、カール底に着いたら雪が腐っていて超絶歩きにくい。体力と時間を奪われた。

ヒュッテ近くでやっと休憩。

カールが眩しい~。

あとは上高地までの長い行程を耐えるだけである。

本谷橋付近は沢が割れて、30分も下ると登山道に雪は無くなっていた。

横尾から普通に左岸を歩いていたが、時々残雪で歩きにくかったので途中から右岸を行く。日当たりが良いので雪は全く無く、アップダウンもほとんどないので歩きやすい。左岸で遭遇する猿軍団は右岸では見掛けなかった。

13時35分、修行の歩きでやっと河童橋に到着。

人がとても少ない。

僕は奥穂南陵は初めてのコース。雪が少なかったため通常とは違ったコース取りでしょうが、充実した山行でした。初日はヘロヘロになりましたが、絶景を僅かながらも味わえたのは大きな喜びです。大好きな穂高の一面をまた知ることが出来た二日間でした。

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