- 期日: 2021-2-13〜14
- 山域: 仙丈ヶ岳
- ルート: 三峰川岳沢
- 参加者: L上荒磯、ボーイ
- 天候: 晴れ
- 行程: ○2/13(土) 0130圏央厚木IC-大曲駐車場0540-0700丸山谷出合-0820南沢二俣-0910営林所跡-1255岳沢越-1400岳沢出合-1600F1-1640F3-1720F4-1900F5幕営地点 ○2/14(日) 0430起床-0620幕営地点発-0730F8ソーメン流し取付1030-1220奥の二俣-1400大仙丈ヶ岳-1450仙丈ヶ岳-1800松峯小屋-2300柏木登山口
2泊3日で行くパーティーが多いというこのルートだが、パートナーが「そんなに休みとれない!」とか言うので2dayで強行することに。
「身体的・精神的に相当なものが求められる」と何処かで読んだので、メンタル弱弱な私は行く前から戦々恐々。結果的にはそんな想像を凌ぐタフな山行となりました。
初日はF5まで到達できなければ敗退するというお約束の下、アイスクライミングのビッグルートに挑戦してきました。
○day1
大曲駐車場は数台分のスペース。以前は丸山谷出合まで車で入れたようだが、林道崩壊の影響により駐車場の目の前からゲートで封鎖されている。
丸山谷への分岐は少しわかりづらい。出合〜丸山谷は10分ほど。
南沢の二俣までの道は荒れており悪い。両岸を右往左往しながら進む。道は滑りやすいうえに渡渉は頻繁にあるので、転倒と水没に注意!
二俣は顕著な分岐だが、本流に進まないよう注意。左の沢に入る。分岐から15分ほどで登攀困難な二段滝。これは右岸の斜面から巻く。崩れており悪いが、斜面途中に赤布付きの小道があるのを発見し合流。どこから続いていたのかは不明。
程なくして二俣?三俣?中央のやや狭い沢に入るのが正解だが、赤布が巻いてあるので迷うことは無いはず。
ここから先はトポにある「二段、Ⅱ級程度の滝」らしきものがいくつかあり、分岐も多いが、素直に明るい方へ詰めて行けばOK。
自分達は……、見事に勘違いして別の沢筋を詰めてしまっていた!幸いトラバース+懸垂下降一本で本流に戻れたが、2時間弱のロス。。。
すでに時刻は12時をまわり、時間的に本日中のF5到達は厳しくなってきたと感じ、念のためパートナーにこのまま進むか確認するが、愚問だった笑。とりあえず行けるところまで行くことにする。
岳沢越えからは暗い樹林帯を赤布を目標に降りる。このあたりから岳沢の全貌が望める。
岳沢出合は幕営適地。昼過ぎの到着だったので、ここからF1までは雪が腐っており、ひたすら辛いラッセルを強いられた。
すでに8時間以上の山越えアプローチからのラッセルはさすがに疲れた!雪崩への警戒に加えて日没も迫り、精神的・体力的にちょっと余裕が無くなってきた。
出合から約2時間かけてようやくF1。半分くらい埋まっていたのでフリー。続くF2は完全に埋まっており行方不明(笑)
しばらく進み右岸に氷柱を望むと、沢は右に折れ、F3が出現。
ハルカさんリード。中央右から左上。1ピッチ50メートルで突破。
F3を抜けるとすぐにF4が現れる。F3の終了点から、つるべでそのままHBリード。
左のラインを登るが、出だし5mくらいが垂直で核心。リードが抜けたところで日が沈み、暗闇の中フォローを待つ。
F5もおそらく行方不明。ほぼ満身創痍のなか寝床を探すが、岩小屋の下に絶好の幕営適地を発見!
相方が持ってきたウイスキーでとりあえず祝杯。軽量化を多少犠牲にしつつも酒は外さない辺りはさすが。ただハイボール用に氷を口に咥えながら登っていたようだが、フォールした時に落として残念そうにしていた笑。
○day2
2日目は日の出と共にスタート。岩壁を左から巻くとすぐにF6、F7。フリーで越える。
F7を越えると遂にハイライトのF8ソーメン流し!! 1ピッチ目はハルカさんリード。左の岩壁の残置ハーケンでビレイ。
2ピッチ目はHBリード。どこを登っても出だし10メートルくらいは垂直に近い。ここまで全装を背負っての登攀はそれほど苦には感じていなかったが、念のためこのピッチのみ荷揚することに。
空身は軽い!高度感も相まって宙に浮くような爽快感。だが、楽しんだ代償に2人分の荷揚はしんどかった…。50メートルギリギリで右の立木でビレイ。
その先のF9、F10の氷結は良好。思いの外発達していたが、ラインを選べばⅡ〜Ⅲ級程度なのでフリー。だが落ちたら終わりなので慎重に登る。
F11?くらいまで登ると奥の二俣。ハサミ状の岩を目印に左に行く。上部の詰めはどこを登っても同じ?美しい雪渓を詰めるが、再び雪が腐りラッセルに。すでに疲労困憊でメンタル的にもキツく正念場だった。
稜線に出てからはガレ場を詰めるが、不安定かつ不明瞭で少し悪い。
14時、大仙丈ヶ岳山頂。ここから1時間かけてようやく仙丈ヶ岳山頂!
山頂はまさに大パノラマ!!日本の1、2、3が左から綺麗に並んでいるのも見える。
下山は戸台方面が使えるか不明なので地蔵尾根から降りる。ここから8時間のコースタイム。しかし今や仙丈に至るメインルートのようで、トレースはハッキリ。おまけに赤布や新しい標識で丁寧に整備されていた。
迷うことは無いはずと鷹を括っていたら、穴沢ノ頭の手前辺りから深いラッセルに……。どうやら林道から登山道への分岐を見失ったようで、帰りも2時間近くのアルバイト。。
もはや割とスムーズだった岳沢の登攀はついでで、アプローチと下山がメインなのではと思えてきた笑
個人的には2日間の行程で4回くらいの山行をこなしたような内容の濃さだった。割と本気で何度かダメだと思ったが、パートナーにも助けられて、やり遂げられた達成感はこの先も忘れないでしょう。
長いけど、いいルートだった!もう一回やるかと言われれば微妙だけど(2泊3日ならやるかも)。
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