- 期日: 2021/10/31(日)
- 参加者: 鈴木、ボーイ
- 天候: 小雨
- 行程: 0430駐車場発-0605一粒の麦取付-0650登攀開始-0900終了点
秋も深まり、瑞牆の紅葉もピークを迎えるなか、今年の宿題は今年中に!ということで今春の継続で諦めた残り2本(一粒の麦→ベルジュエール)を登りに行ってきました。
が、爽やかな秋晴れが続いた1週間の締めくくりには雨予報……。無論、その辺のヤワな連中とは違うのだ。肝の据わった我々は多少の雨だろうと関係ないので雨天決行。
明朝3時、起きたら雨雲はなく、この時点でザーザー降りで中止→まったり温泉の流れになるという淡い期待は早くも潰えた。
5日間、小川・瑞牆に滞在してあまりの極寒にメンタルやられていたが、この日の植樹祭公園の朝はそれほどでもないのが救い。
しかし、山頂からほど近い十一面奥壁ともなると話は別。凍える寒さでそこに居続けるだけで命に関わるだろう。
日の出の時刻を迎えても綺麗な景色を望めるはずはなく、雲は山を巡り霧は谷を閉ざして昼なお暗し。
帰ることしか考えてない私を尻目にやる気100%意気揚々としている先生。その気概に押され私は悟った。「これはフリークライミングではない。アルパインクライミングなのだ」
ウォームアップで1ピッチ目。5.9というがかなり簡単。ハンドジャムがよく効く核心を越えてスラブをトラバース。立木でビレイ。
2ピッチ目は名物の稲妻みたいなクラック30メートル。10b。ハンド・フィストサイズ→ワイドをレイバック。上部はC5番あった方が良いかもしれない。長く疲れるがフェースのスタンスも拾いやすくて登りやすい。
3ピッチ目はコンテで右のクラック→チムニーをクライムダウン。
4ピッチ目は5.6程度のチムニーだが「こんなの登らなくて良いよね」ということで省略。その場合は右のルンゼを上がるが取り付きを過ぎないように注意。
5ピッチ目は上部でダブル?トリプル?クラックを辿る。10a。どこを登るが悩むがどれも差して変わらないだろう。ここでも5番欲しかったが無かったのでランナウト。
6ピッチ目。10b?10c?ここも取り付きがやや分かりにくい。テラスを進んですぐ右に取り付きあり。出だしのパワーがいる核心→ハンドサイズが続く素晴らしいコーナークラック。
これまで雨に降られず順調。だったが、アルパインの神様は最後に試練という名の恩恵を授けて下さった。だんだん雨が強くなる中、先生は気合いで核心越えていてさすがだ。
ところで、一粒の麦とはいささか高尚なネーミングだ。差し詰めここで落ちて死ぬことで、願わくば濡れた岩登りはしないよう多くの方への注意喚起となればということでしょうか。
閑話休題、フォローで上がる頃にはアルパインというか沢登り状態でツルツル滑りまくり。スラブは無理な一方、ハンドジャムは濡れててもしっかり決まることに妙に感動した。
終了点に着いたころには最早変なテンションに。下降はジョイフルと同じで終了点すぐ左から歩いてトンネルを降りる。
あくまで継続が目的なので、とりあえずベルジュエールの取り付きを見に行くがまあ無理でしょう。大人しく湯川に転進を決定。
残してある別の宿題に向けて、雨に沈む瑞牆を静かに後にしました。
記: HB
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